エピローグ

剣道の「け」の字も知らぬまま始めた中1の春。
毎日の朝練、夕方の稽古、その流れからの夜剣。
4月に入部して5月には面を付け、訳もわからぬまま試合に出ては敗け。
何度辞めたいと思ったことか…。
それでも…ブツブツ文句言いながらでも毎日毎日稽古稽古稽古。
夏からは1年生4人で試合に出ては敗けの日々。
どんどん実力をつけていく男子チームの陰で「お荷物」扱いだった。
2年の夏。少しずつ努力が実を結び始めた。
中体連新人戦での3位入賞を皮切りにチームが優勝争い出来るようになるのと共に、実力が向上していった。
地方の強豪が集まる選抜大会での3位入賞の原動力は間違いなくその時に開花した才能。
豪快な飛び込み面で相手を打ち崩す姿は圧巻だった。

昨夜あらためて去年の地区中体連のビデオを見た。ヘタレちゃん始め、ホノもネコもオサキも皆真っ直ぐで崩れない構えからの体の中心を割るように正確な打突を繰り出していた。
素直に「強い」と思った。
間違いなく最強のチームだったと思う。
本当に全国の舞台で闘わせてあげたかった。
全中の会場で躍動する君達を見たかった。

あれから1年。ヘタレちゃんは高校でも剣道漬けの毎日。
またさらに大きな華を咲かせる為に…頑張れ頑張れヘタレちゃん

「ヘタレちゃんの記録」は一先ずここで終了します。
新たな活躍の物語は多分来年…かな(笑)

拙い文章にお付き合い頂き有難うこざいました。