最期の団体戦1

同じ年に生まれ、同じ中学に進み、同じ道場で3年間共に稽古に励んだ仲間と闘う団体戦は、これが最期。
という大会の3日前…
副将ヒマが自転車運転中にガードレールに激突。
足を骨折する大怪我で、まさかの戦線離脱。
更に1日前にはミドが自宅階段から転落。
大事には至らなかったものの頭を打った為、試合には出れず。
急遽1年生のリコが副将として出場することになりました。
K中オーダー:先鋒アオ 次鋒カコ 中堅モエゾウ 副将リコ 大将ミツ

1回戦シード、2回戦からの出場。試合迄にかなり時間がありました。
あと数試合といったところで彼女達を探してみると、自分等の試合場の傍らで試合を見ています。
いやいや…アオはミドとおしゃべりに夢中…
リコもユイとおしゃべり。カコとモエゾウは突っ立ってて、ミツは竹刀を持ってはいますが、動きは少なく…
室内はクーラーが効いていて快適ですが、朝開会式前に稽古をして既に体が冷えているはず。
足を動かしたり素振りをしたりして体を温めておいたほうが良い。会場の扉を開けて中にいるモエゾウを手招きしますが、露骨に嫌な顔…
それならもう何も言いません。
2階のアリーナ席に戻り、また動向を見ていますとモエゾウと目が合ったので「素振りくらいしとけよ」とジェスチャー。
また嫌そうしながら竹刀を取り出す。
ダメだこりゃ。
1試合目。相手は同県内のTT中。アオ2本勝、カコ2本勝、モエゾウ2本勝、リコ2本勝、ミツ2本勝
結果だけ見れば圧勝。
案の定動きが悪い。
3年間見続けたからこそ、これじゃダメだ。
次も同じような試合したら危ないよ。
分かってるのかな?